勉強犬
「勉強の仕方がわかりません」
塾の先生をやっていると、よくこんなフレーズに出会います。
それが「勉強をやらない理由」になっていることもあるのですが、
本当にわからなくて困っている子も多いと思います。
前者も後者も撲滅を目指してこの記事を書いていこうと思います。
勉強って、そもそもはあんまり面白くないもの。
「勉強が好き」という方ってきっと珍しいでしょう。
でもね。
嫌々ながらも始めてみて、
少しずつわかるようになってくると、これが意外と楽しくなってきたりします。
そうなったら、みんなハッピーですよね。
みんなハッピーを目指して、ぜひこの記事をお役立てください。
※この記事は随時更新されていきます。
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勉強の辞書
勉強の辞書はここからスタートです。
各々、目次から好きな場所に飛んで必要な情報を得てください。ただ最初は必ず「勉強の仕方」の項目から見るようにしてください。
多くの勉強は「読む」ことからスタートしますから、辞書の中から必要な情報を探して読むことは、その練習にもなると思います。つまり、辞書を読むだけで勉強になるのです。
読んだらちゃんとわかるように、私も「なるべく簡単に、具体的に」を心掛けて書いていきたいと思います。
それでは、始めましょう。
勉強の仕方
勉強の方法はシンプルです。
①覚える→②テストする→③丸付けする(間違えた問題や怪しい問題にはチェック)→④間違えた問題を直す(人に聞いたり解説を見たり調べたりしてもOK)→⑤少し時間をおいてチェックの問題を自力で解けるか試す
たったこれだけです。基本的には、勉強はこの繰り返しになります。
どうでしょう。これならすぐに出来そうじゃありませんか。なら、まずはやってみましょう。そしたら、自分に何が足りないのかがわかってくるかもしれません。
上記の勉強をしてみて、もしもうまくいかない時は、以下の勉強の辞書を活用してみましょう。
勉強の準備
勉太郎
勉強犬
そもそも勉強って何?
勉強とは「できないことをできるようにすること」です。
書けない漢字が書けるようになった、計算のスピードが速くなった、できなかった問題が解けるようになった、これらすべて勉強です。
逆に、できないことをできるようにすることを目指していない行動は、勉強とは言えません。そんな行動のことを「勉強風の何か」という意味で「エア勉強」と呼んでいます。いくつか挙げておきましょう。
- 何かを見ながらテストしている(写しているだけ)
- 勉強以外のことに時間をとられている(ノートまとめや飾り付けや机の整理)
- 誘惑と戦っている(誘惑は視界に入れない!)
- 丸付けをせず進んでいる
- 赤ペンで答えを書いて満足している(何もしてないのと同じ!)
- やったらやりっぱなしで解き直しをしていない
どうでしょうか。自身の行動がエア勉強になっていないかどうか、常に注意しましょう。もし既にしてしまっていたら、今を境に心と行動を入れ替えましょう。人はいつからでも変われます。
さぁ、真の勉強を始めましょう。
勉強に必要なもの
ここでは当たり前ですが、当たり前だからこそ非常に重要なことを説明しておきます。
それは勉強に必要なものです。3つあります。
一つ目は勉強の体力です。
元気がなければ何もできません。要は健康でいようねってことですね。この健康において重要なのは、生活習慣が乱れていないことです。
小中学生であれば、夜は遅くても11時までに寝るようにしましょう。食事や運動で注意する点は、無理をしないこと。自分の身体と相談をして、自分に合った生活習慣を手に入れましょう。家族や周りの人の協力も得ながらね。
「健康には何の問題もない!持久走も得意!」という人でも、勉強の体力は意外と少ないなんてことがあります。勉強の体力は、それこそ本物の体力と同様、コツコツつけていくしかありません。少しずつ集中できる時間を増やせるように、毎日コツコツ勉強していきましょう。
さて、体力というと身体のことばかりイメージしやすいですが、実は気持ちも大事です。人間は感情の生き物と言われるぐらい、心持ちがパフォーマンスに影響します。心も健康でいましょう。
勉強する上で大事な心持ちの一つは、「失敗を恐れないこと」。もちろん失敗を恐れる気持ちは誰にでもありますし適度には必要ですが、それが大きすぎると勉強の邪魔になります。
だって、勉強は「できないことをできるようにすること」。まずは「できないこと」を見つけないと勉強が始まらないのです。その「できないこと」を見つける度にいちいち凹んでいたら、勉強になりません。できないことを見つけたら、「お、また自分の課題見つけた!伸び代や!これでまた成長できる!」ぐらいのポジティブシンキングで、成長の糧にしてやりましょう。
心と身体の健康を大切にして、勉強の体力をつけていきましょう。
二つ目は勉強上手になることです。
何でも、やればいいというものではありません。下手よりは上手のほうがやりやすいですし、成果も出やすいです。ということは、続きやすいです。勉強上手を狙いましょう。
勉強上手というのは、これから下記で挙げていく具体的な勉強方法をマスターして、なるべく時間をかけずに成果の出る行動を取れる人のことです。そしたら好きなことに時間を使えるわけですから、自分自身にとってもハッピーですよね。
三つ目は目的です。
例えば、富士山の頂上を目指している人しか、富士山の頂上には辿り着けません。これが、目的があるかないかの差です。目的があったほうがその場所へ断然行きやすいのです。ですから、勉強においても目的があるといいです。
「志望校合格」や「テストで何点取りたい」というのも立派な目的です。「将来◯◯になりたい」や「お母さんお父さんを喜ばせたい」なんてのも良いですね。目的は人それぞれです。大切なのは、勉強する目的をなんとなくでも理解していること。勉強に価値があるとわかっていることです。
「え、勉強する目的って何?」という方は、とりあえず「選択肢を広げるため」とか「自分を含め周りの人をハッピーにするため」とかざっくりとした目的を頭に置いておくのはどうでしょうか。
「いやいや、どうしても勉強する目的がわからない!私はやりたくない!」という方は、もちろん自分の人生ですからそれはそれでいいのですが、その熱い気持ちを持ってまずは周りの人を説得してみると良いでしょう。その話し合いの中で勉強する目的が見つかるかもしれません。
以上が勉強の前に必要なことです。ちょっと長くなってしまいましたが、どれも大切なことです。
勉強するときに用意する「三種の神器」
「よーし、やるぞ!」と、いざ勉強を始めようと思ったら、実際に必要なものはなんでしょう。
ここでは三種の神器を紹介しておきます。割と当たり前のものです。
まずは筆記用具ですね。最近はタブレット学習なども流行っていますが、未だテストは紙に書くスタイルが多いので、練習もその形式メインでやっておくと良いでしょう。
字を見やすく書ける濃さの鉛筆やシャーペンがオススメです。筆圧が弱い方はBや2Bを使いましょう。持ち方の修正も早めにしておくと疲れにくくなりますし、大人になってからも役立ちます。
色ペンは多くて二色。あり過ぎても余計な時間がかかるだけですからね。あ、百均などで売っている赤シート等で消せるペンがあると暗記をする際に便利です。
次にノートですね。勉強に慣れていないうちは大きなノートがオススメです。そこに字を大きく書きましょう。ノートは消耗品。ぜひ贅沢に使ってください。ノートをケチって成長しない方が長い目で見たら損をします。
また、ルーズリーフは使い手を選びます。よほどのルーズリーフ好きでない限り、冊子型のノートをお勧めします。
最後に、やるものです。教科書やワークやプリントや問題集等の教材を用意しましょう。もちろん目的の達成に一番近づけるものを使うのですが、それがどれかわからないという場合は、「正答率が7〜8割」ぐらいの教材を使うようにしましょう。簡単過ぎても難し過ぎても成長しにくいです。
さぁ、これで勉強に必要なものが揃いました。それでは改めて勉強を試してみてください。
勉強の応用(随時更新予定)
ここからはより具体的な勉強の方法についてお伝えしていきます。普遍的に大切なものから、テスト分析の仕方などニッチなところまで、細かく説明していきたいと思います。
計画
勉強する上で大切なのが「目的」というお話はしましたね。その目的を上手に使うことで、勉強の精度をグッと上げることができます。どういうことか説明しましょう。
例えばあなたが江ノ島に行きたいとしましょう。そこが目的地です。そういう時は、まず自分の居る場所を把握するのが良いです。現在地ですね。現在地が把握できると、目的地までの行き方が逆算できます。徒歩で行くのかタクシーで行くのか、はたまた飛行機か。
勉強でもこの考え方が役に立ちます。目的地が決まっているなら、今の自分の現在地を把握して、行き方を考えればいいのです。今の時代、行き方はいくらでも調べられますし、それこそ頼れる大人に相談してみてもいいでしょう。それをすることで、「やるもの」の選択が容易になり、勉強の精度が上がります。
これが計画です。ただ、最初から自分で計画を立てて勉強を実行できる小中学生はほとんどいません。何度もチャレンジを重ねて、計画を使いこなし、勉強の大将軍を目指しましょう。
習慣
勉強する上であると良いものが「習慣」です。
なんでも習慣にすると「始めやすい」「続けやすい」「うまくなりやすい」の3拍子が揃うんですね。単発だと始めにくい勉強も、習慣があると自然に始めることができます。
では、そんな習慣をどうやったら創ることができるのでしょう。簡単です。習慣は、続けたらできるのです。
おいおいって思いましたよね。でもそれが事実です。では続けるためにはどうしたらいいのでしょう。一つオススメの作戦があります。
それが「おいおい楽勝だぜ作戦」です。ネーミングセンスは置いといて、これが意外と使えるのです。
続けたいものがあったら、それを「おいおい楽勝だぜ」と思えるレベルにしましょう。腹筋だったら一日3回、英単語だったら1日3つ、計算だったら1日1問みたいに、体調を崩してもできるレベルにするのです。そして、それを毎日続けるのです。その日の調子で回数を増やす分には構いませんが、「昨日頑張ったから」で次の日やらないとかは無しです。最低でも決めた回数を続けましょう。
これを1ヶ月ほど続けると、軽い習慣ができてきます。更に続けると、習慣はどんどん強化されて、そしたら回数を増やすのも簡単ですよ。是非試してみてください。
音読
勉強する時の心強い武器になってくれるのが音読です。以下のリンクでその効果と方法についてまとめています。参考にしてみてください。
暗記
勉強において、どうしても必要になってくるのが暗記です。暗記のポイントをまとめたので、ぜひ実践してみてください。
- アウトプットの回数を増やす(繰り返しテストする・何度も説明するetc)
- 情報を多めにして頭の中に入れる(例えば偉人を覚えたかったら、その人の名前だけではなくて、顔ややったことやその人についての雑学もセットで頭の中に入れる)
- 素早くやる(暗記はスピード命!ダッシュでやって、繰り返す!)
その他の効果的な方法については以下のリンクでもまとめています。
復習のタイミング
一度やったことをいつ復習するのかって意外と大事なんです。以下のグラフをご覧ください。
これは勉強上手と勉強下手の人の復習のタイミングを図示したものです。
勉強上手の人が忘れる前に復習しているのに対し、勉強下手の人は忘れた後に復習していますよね。これだけで、ぼほぼ同じ時間を使っているのにもかかわらず、効果は正反対になるのです。
忘れかけたタイミングでの復習、ぜひ試してみてください。
受験勉強の仕方
受験勉強は大きく分けて3つあります。
- 学校の勉強の予習復習
- 手に入れた知識を繋ぎ合わせる問題演習(実力養成)
- 入試形式の実践問題演習
時期によってこれら3つの勉強時間の配分を調整していくのが、受験勉強ということです。
1、2年生のうちは①に力を入れましょう。特に、英語数学といった積み重ね科目は予習ができると良いです。それらの科目は②に時間がかかりますからね。
特殊なのは、国語です。国語は学校でやる国語と入試問題などで測られる国語に大きく違いがあるため、早めに②に触れておく必要があります。結局どの科目でも読むことからスタートなので、国語力はどの科目の勉強でも伸ばせる力ですが、苦手という方は早めにコツコツ②に取り組めるといいでしょう。
なお、漢字や英単語といったものは早いうちから習慣をつけてやれるに越したことはありません。単純計算で一日10個覚えるだけでも、一年間で3650個覚えられます。コツコツに勝るものはありません。
例えばトップ校を目指すというときにどんなイメージでやらなければならないかというのを以前図示しました。こちら参考になれば幸いです。湘南高校の目指し方です。
最後に、受験勉強時にあると良い教材について触れておきましょう。
- 問題集(塾のテキストや市販の教材でも可)
- 過去問(県や志望校の過去問はもちろん全国高校入試問題正解なども利用できる)
- 参考書・用語集(理科や社会は用語を調べられるものがあると良い)
そもそも「受験って何?」という方は、以下の記事も参考にしてみてください。
テスト勉強の仕方
テスト勉強の仕方は意外とシンプルです。こちらがその方法をまとめたシートになります。
改めてここでまとめれば、以下の2点が重要です。
- 授業をしっかり受ける
- やるものは最低3周する
これだけでそこそこの点数は取れるはずです。もしも難しいようなら、過去の内容の復習や信頼できる人にアドバイスを求めてみましょう。
テスト分析の仕方
テストが終わったら分析を行いましょう。本気でやったテストは、あなたの成長を助ける何よりの材料になります。分析の方法をまとめてみました。
質問に答えていけば自動で分析ができる分析シートもここに載せておきます。定期テストや模試の分析にお役立てください。
まとめ
ここまで多くの勉強方法や意識する点についての情報をまとめてきました。最後の最後に重要なことを一つだけお伝えしましょう。それは、
いくらわかりやすく丁寧に説明してみても、実際にやるのはほんの一握りの人!ほとんどの人はやらないか危機が迫った時にしかやらず、だから間に合わなくなる!
ということです。
さて、あなたは一体どっちの人でしょうか。
勉強犬